2007/08/18

どうして公務員の天下りがあるのか→官僚がズルイから

Q:「人材バンク」「天下り」など、どうして公務員は擁護されているんですか
A:
国家公務員I種採用の職員だけは、事実上、定年前に辞めさせられるからです。
I種採用の国家公務員は「官僚」と呼ばれ、各省庁でエリートコースを歩みます。同期が何人かいる中で、最終的に「事務次官」にまでなれるのは1人いるかいないかです。

民間企業であれば、出世しなかった人はそれなりのポストで定年まで働くのですが、官僚だけは「それだと、働きづらいだろう」ということで、事実上は辞めさせられます。ところが、「辞めさせられるのもかわいそうだから、次の仕事を用意してやろう」と民間企業などに天下りさせるのです。

非常に悪い制度です。
一番悪いのは、そのような人事慣行を何十年も続けた官僚です。
次に悪いのは、そのような天下りを受け入れて、その人の給料以上に国から仕事をもらう企業です。

----ちょっと追加をします。

民間の大企業でも天下りに近いことを行っています。
大企業での出世レースに敗れた人は、子会社・関連会社へ出向させられることがあります。
それに近い人事慣行と言えます。

しかしながら、そんな人事慣行を続ける企業は競争力が損なわれます。
必要も無い職員を押し付けられる子会社・関連会社はいい迷惑です。

民間企業であれば、若くて優秀な職員が「ごぼう抜き」で昇任し先輩だった職員を部下にすることは良くあることです。
しかし、国家公務員に限っては「秩序を乱す」として「天下り」させているのです。

なお「どうすべきか」については、国家公務員法に答えが書いてあります。
----以下引用
国家公務員法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO120.html
(昇任の方法)
第三十七条
職員の昇任は、その官職より下位の官職の在職者の間における競争試験(以下試験という。)によるものとする。但し、人事院は、必要と認めるときは、試験を受ける者の範囲を、適宜制限することができる。
----引用終わり

このように国家公務員法という法律によって、昇任は「競争試験」が原則と決まっています。
競争試験によって、優秀な職員は上位の職へ昇任させ、そうでない職員は昇任できない、という「若い職員でも試験に受かって偉くなる」仕組みです。
しかし、国家公務員I種には、全く「昇任試験」がありません。
実に恥知らずで怠慢な人事制度です。(実際には、優秀ではない職員は辞めさせられていきます)
法律に書かれてあることを行わず、天下りによって民間企業に迷惑をかけ、税金の無駄づかいの元になっているのです。

----さらに追加します。

「官僚としての能力のある職員を採用したがっている企業があれば、天下りも悪いことではない」という意見には賛成しかねます。
なぜなら、
「官僚としての能力」が十分に無いから辞めさせられる職員であること、
「営業で頭を下げることを知らず、会社が倒産する危機感も知らない」公務員を本気で必要としている企業は、まずありえないこと、
「天下りを受け入れている企業」は「見返り」を求めていること(談合を見逃してもらったり、行政情報をいち早く手に入れたりという、見返りです)
などの理由からです。

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今回は長文になってしまった。
それでも言い足りないような気がする。上手にまとめられなかった。
天下りという時代錯誤な風習もそのうち無くなるのだろう、そう思っている。
しかし、官僚の力は強くて100年後も天下りは無くならないかもしれない。