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2007/05/21

虚数の意義-量子力学など自然の表現に使う

Q:虚数に、どういった意義があるのか
A:
確かに、私たちの日常生活で複素数が出てくることは無いですね。
その意味で、日常生活での複素数の「意義」は無いとも言えます。

電子工学業界であれば、回路設計で複素数を使って表現することがあります。
虚数を使った方が計算が楽になるからです。

一方で、素粒子を扱う量子力学では複素数が大活躍です。
人間にとっての「意義」なんてどうでもよく、量子力学の計算では複素数が無いと成り立たないぐらいのものです。
つまり、自然を表現するために複素数は無くてはならないものなのです。

見方を変えると、複素数こそが「本当の自然の姿」であり、その一部である実数部分のみ日常生活で見ている、と言えます。
物理や数学の業界では、人間にとっての意味、意義、価値なんて、どうでもよいものとも言えます。

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実生活で虚数が出てくることはない。
しかし、量子力学では出てくる。
本当の自然の姿なんて、観測者の状況によって異なるものであって、あまり意味の無い言葉だ。しかし、そんな言葉で説明したほうが分かりやすいかもしれない。
どちらにせよ、人間だけにとっての価値などどうでもよいものだ。

2007/01/27

オカルトでも、超常現象でもなく、単なる算数トリック

Q:次のフラッシュが不思議だ
http://www.exstatica.net/flash/psychic.swf
http://www.cyberglass.biz/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=14&Itemid=28
1. 2桁の数を思い浮かべましょう。例えば 23
2. 思い浮かべた2桁の数の数字をそのままたしましょう。2+3=5
3. 元の数から2.で求めた数を引きましょう。23-5=18
4. その数のシンボルを右側の表から探して、覚えたら、水晶玉をクリックしてみましょう。
あら不思議!水晶玉に覚えたシンボルが現れます。

A:
オカルトでも、超常現象でもなく、単なる小学校の算数の問題なのだろうと、質問者の方も気づいていると思います。

どんな2桁の数字であっても、質問の2と3を行うと、答えは9の倍数になります。しかも81以下になります。
(かけ算九九の9の段です。)
この証明は小学校6年生ぐらいなら可能でしょうから、お近くにいる小学生か中学生に聞いてみてください。

あとは、9,18,27,…,81に同じマークを割り当てておいて、クリックしたらそのマークが表示されるようにすれば良いだけです。
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このフラッシュはAndy Naughtonという人が作ったものらしいが、あちこちで公開されている。
とても簡単な話で、二桁の数字からその二つの数字を引くということは、一桁目は単純に0になり、二桁目に9をかけた数字が残る。
必ず、掛け算九九の9の段の数字になることがわかっているのだから、あらかじめ同じマークを割り当てておけば良いだけのことだ。

2006/11/11

累乗根が1に近づく理由:スマートな回答ではない

Q:累乗根(二乗根や三乗根など)が、必ず1に近づくのは何故?

A:
正の実数は、ルート(二乗根・三乗根…)を計算すると必ず1に近づきます。

例えば「二乗根」の場合は次のように証明できます。
二乗根で計算した結果をxとし、もとの正の実数をx^2と考えます。(ただしx=1を除く)
「それぞれ数字と1との距離を比較しよう」、ということですから、
(x-1)と(x^2-1)のどちらが大きいのか、を考えます。
そこで、(x^2-1)/(x-1)の値を計算しましょう。
(x^2-1)/(x-1)=(x+1)(x-1)/(x-1)=x+1
x^2が正の実数ですから、xは必ず正の実数となります。
そのため、(x^2-1)/(x-1)は1よりも大きいことがわかります。
つまり、xは必ずx^2よりも1に近いのです。

同様に三乗根の場合は、(x^3-1)/(x-1)=x^2+x+1ですから、
x=1でないかぎり、xは必ずx^3よりも1に近いことが証明できます。

考え方を拡張してn乗根(nは2以上の整数)の場合にも、
正の実数のn乗根は、必ず1に近い数字になることが証明できます。

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回答は間違っていない、と思う。
「式の展開や式の割り算を使って、分数の値が1よりも大きいことを証明すれば良いな」と思いついたのだが、エレガントではない。

y=x^nが、単純増加関数であることを利用すれば、もっとエレガントな証明が出来たかもしれない。
まあ、勘弁してもらおう。

2006/06/30

立体の塗り分けが無限色必要な理由:回答が不十分だった

Q:
立体は8色で塗り分けられないの?
A:
とても長い色鉛筆を沢山用意しましょう。例えば200本。
机の上にきっちり100本を並べて、その上に垂直に100本きっちり並べてみましょう。

上側の色鉛筆1本は下側の色鉛筆100本と全て接していますね。下側の色鉛筆は100色必要です。同様に上側の色鉛筆もさらに別の100色が必要です。
このように立体の場合の領域の塗り分けについては色が無限に必要なことが証明されています。
コメント:
色鉛筆を交互に並べたら4色でいけそう

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コメントで指摘されたとおり、回答は不十分で誤っていた。
修正しようと思ったときには、ベストアンサーがついていて修正できなかった。質問者の方には申し訳ない。

立体の塗り分けについては無限色必要なのは変わらないけれども、証明になっていなかった。
・とても長い棒を縦100本並べて、その上に横100本並べるところまでは同じ
・縦100本の棒に名前をつける。A001からA100まで。
・横100本の棒に名前をつける。B001からB100まで。
・A001とB001が接しているところを接着して、AB001という立体にする。
AB001は一つの立体なので、同じ色にしなくてはならない。
・A002とB002も同様にAB002にする。
・以下同様にAB100まで作る。
・AB001という立体は、AB002からAB100までの全ての立体に接している。
・AB002という立体も、AB001及びAB002からAB100までの全ての立体に接している。
・以下同様に、AB100も、AB001からAB099までの全ての立体に接している。
・したがってAB001からAB100まで100色が必要になる。

この例は100本だけど、一億だろうが、何十兆だろうが、同じこと。
したがって無限色必要となる。

縦の棒と横の棒を接着して十字の立体をつくり、それが一つの立体だから同じ色にならなくてはならないことを当初の回答に入れなかったのが間違いだった。
質問者の方に連絡が取れると良いのだが。

2006/06/20

ヒッグス粒子や不完全性定理が中学生にわかるかなあ

Q:質問者の他の質問や回答を見て回答する?
A:
質問に記載された内容だけで判断しています。
いちいち質問者の過去の質問・回答までは見ません。
私の場合は、中学生程度の知識を前提に回答しているつもりです。

たとえば、高エネルギー加速器研究機構の子ども向けページ「やさしい物理教室」のように、ちっともやさしくないと自覚はありながら、中学生でも読んで理解できる内容にしたいと思っているのです。

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Q:ゲーデルの不完全性定理を完全に理解している方はいますか?証明を知りたいので参考文献か参考URLを教えてください。
A:
完全に理解している人は大勢いるでしょう。
日本人であっても。中学生であっても。

文献として参考URLの「ゲーデルの世界」(海鳴社、廣瀬健・横田一正訳)をあげておきましょう。
この本の付録に「『プリンキピア・マテマティカ』およびそれに関連する体系の決定不能な命題について、I」というゲーデルの1931年の論文の全訳がついてきます。
この論文が「不完全性定理」を発表した論文です。その中の

命題VI 「ω無矛盾でしかも帰納的であるような、論理式のどんな集合κに対しても、ある帰納的な集合式γが対応していて、νGenγもNeg(νGenγ)もFlg(κ)に属していない(ここでνはγの自由変数である)。」

という命題こそが不完全性定理です。
なお、この命題VIはホフスタッター著「ゲーデル・エッシャー・バッハ」という本から引用しました。

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日本国憲法で定められた義務教育は中学校までだ。
その意味もあって中学校卒業のレベルの読み書きができれば理解できるような回答を心がけている。しかし、中学校までで習ったことだとワクワクするようなことが少なくつまらない。
ワクワクするようなことを、ある程度わかりやすく説明してあるとうれしい。
そういう意味で、kekの「やさしい物理教室」ページは良いと思う。
読んで理解できる中学生は、ほんの一握りだろう。それでも十分だ。その子たちがワクワクしてくれて、もっと調べようと思ってくれれば大成功だ。
私の知恵袋の回答も、そうありたいと思う。
今回のゲーデルの不完全性定理の話も中学生には難しいだろう。
しかし「ゲーデル・エッシャー・バッハ」の著者ホフスタッターは自分の著作を「中学生」に読んでほしいと言っている。自分が中学生の時に興味のあった「ゲーデル」「エッシャー」「バッハ」に関することだから、という。
私が中学生の時は、ゲーデルなんて聞いたことも無かった。
今の中学生には知的好奇心を十分に満たす手段「インターネット」と「google」がある。
うらやましいことだ。