2008/01/12

先物取引はハイリターンのため?→リスクヘッジのため

Q:先物取引はハイリターンのため?
A:
先物取引は、市場の変動の影響を受けずにビジネスを続けるための一種の保険としての役割のために作られた仕組みです。

例えば、質問者が大規模農場を経営していて、秋に小麦が1万トン収穫できる見込みがあったとしましょう。
現在は1月ですから、今年の秋に穀物相場がどのように変化するのか分かりません。
先物取引市場という仕組みがあれば、自分が納得できる価格で「秋に小麦1万トンを○○円で売る」と予約をかけることができます。(もちろん、それを引き受ける買い手がいないといけません)

実際に、秋になって穀物市場が下落してしまって現物市場では○○円では売れない状態であっても、○○円で売ることができるのでラッキーですね。
ところが、穀物市場が暴騰して現物市場では○○円以上の値段がついても、○○円でしか売れません。納得しているとはいえ損です。

一方、質問者が大規模なファミリーレストランを経営していて、今年の秋に小麦を1万トン買わなくてはならない場合には、逆の立場になります。

このように、将来の相場の暴騰・下落などの影響を受けずに、先物市場で商品を確保しておけば、経営上のリスクを減らすことが可能になるのです。
例えば、ANAなどでは先物購入によって安くジェット燃料を入手できた時期がありました。

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私の説明よりも上手な解説がWeb上ではあるだろうが、ざっくり説明してみた。
株式相場、
先物相場、
為替相場、
この手の業界の胡散臭さが報道されることがあっても、その意義が解説されることが少ない。
中学校程度での金融教育が行われるべきだと思う。