2007/07/23

子会社を作る理由は?→独立採算ができるようにが主だと思う

Q:親会社が子会社を作る理由は何か?
A:
株式会社は有限責任だということはご存知でしょう。
原則として、株式会社が倒産したとしても、経営者などが会社の借金を負担するのは有限範囲までとなっています。
同様に、子会社が倒産して莫大な負債を残したとしても、親会社は負債を免れるのです。
ところが、会社の一部門が莫大な負債を抱えたとしたら、会社全体として負債を抱えることになります。
このような「リスクの分離」として、別法人格である子会社を設立する意味があります。

ただし、実際には「子会社としての独立採算ができるように」という意味が強いですね。
大きな会社の一部門だと「儲かっているのか損しているのかが分からない」ということが本当にあるのです。人件費や宣伝費の按分方法によって、大儲けだったり大損だったりします。
しかし、子会社であれば会計が完全に分離されますので、プラスかマイナスかしっかりわかります。

また、経営の独立も重要です。
大企業病(組織が大きくなると公務員のような非効率な経営になりがちです)に陥らないように、別組織にするという側面もあります。

他にも、他の企業との合弁会社として子会社を設立すること(ジョイント・ベンチャーなども一例です)などもあります。
----

会社が子会社を作る理由をあげてみた。
ただし、みずほホールディングスのような、まるで「ポスト」のための会社の話はやめておいた。
ジョイントベンチャーなどの合弁会社は、財務上の問題がある。
減価償却が長い資産だ。3年で終了する会社が5年の償却はできない。
例えばコンピューターが5年の償却期間だとして、3年間はジョイントベンチャーの減価償却になるが、残り2年で会社が解散してしまうと2年分の簿価がある資産の処分という問題がある。リース会社が3年で受けてくれる場合もあるだろうが、事業の都合でPCの台数が変わることも多いだろう。子会社を作っても、返って小回りが利かなくなることもありうる。
また、経理上の採算計算などであれば、事業部制を取り入れることで可能なこともあるだろう。

場合によっては「他の会社に、子会社を売りやすくするため」というのも理由になるかもしれない。