2006/11/11

累乗根が1に近づく理由:スマートな回答ではない

Q:累乗根(二乗根や三乗根など)が、必ず1に近づくのは何故?

A:
正の実数は、ルート(二乗根・三乗根…)を計算すると必ず1に近づきます。

例えば「二乗根」の場合は次のように証明できます。
二乗根で計算した結果をxとし、もとの正の実数をx^2と考えます。(ただしx=1を除く)
「それぞれ数字と1との距離を比較しよう」、ということですから、
(x-1)と(x^2-1)のどちらが大きいのか、を考えます。
そこで、(x^2-1)/(x-1)の値を計算しましょう。
(x^2-1)/(x-1)=(x+1)(x-1)/(x-1)=x+1
x^2が正の実数ですから、xは必ず正の実数となります。
そのため、(x^2-1)/(x-1)は1よりも大きいことがわかります。
つまり、xは必ずx^2よりも1に近いのです。

同様に三乗根の場合は、(x^3-1)/(x-1)=x^2+x+1ですから、
x=1でないかぎり、xは必ずx^3よりも1に近いことが証明できます。

考え方を拡張してn乗根(nは2以上の整数)の場合にも、
正の実数のn乗根は、必ず1に近い数字になることが証明できます。

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回答は間違っていない、と思う。
「式の展開や式の割り算を使って、分数の値が1よりも大きいことを証明すれば良いな」と思いついたのだが、エレガントではない。

y=x^nが、単純増加関数であることを利用すれば、もっとエレガントな証明が出来たかもしれない。
まあ、勘弁してもらおう。